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催眠暗示で射精が止まらなくなる小説【R18小説】【サンプル】

ふと気づくと、うちのクラスでまともに受験へ向けて取り組んでいるのは――僕だけだった。
受験シーズンのこの時期。
クラスの話題は、日雇いのアルバイトとか、ネットで稼ぐ方法だとか、お金の話ばかり。
受験の話なんて誰もしていない。どういうわけか、みんな、躍起になってお金を稼ごうとしていた。
この異常に今日まで気づかなかった自分にも驚いたけど、最近の僕は勉強のことばかりで、周囲との関わりも薄れていたから――
周りが見えてなかったと思う。
とはいえ、進学校にあるまじきクラスの様子に動揺してしまったけど、僕自身の受験とは関係ない。これまで学んだことを無駄にしないためにも、僕はいままで通り勉学に勤しむべきだ。
人生にはやり直しがない。
何のとりえもない僕は、せめて勉強だけでもと、この三年間を受験へ捧げてきた。
クラスメイトが何をしようと自由だし、それで僕の目標が変わるわけじゃない。
受験に専念するんだ……。
    
     #1

――放課後。
学校の図書室。
閉館時間の午後五時までは、ここで宿題を済ませて帰宅することにしている。
ここは静かで集中できる。
本当は宿題よりも、受験勉強をしたいけど、ルールだから仕方がない。
すぐに終わらせて帰ろう。
席につき宿題を広げた、その時――
ガララ――
誰かがドアを開けた。
「ん……」
入口の方を覗く。
そこにいたのは生徒だった。
僕は図書室の一番端の席にいたから、遠くてよくは見えない。だけど、制服っぽいスカートが見えたし、たぶん女子生徒だろう。
彼女はドアを静かに閉めるとそのまま、受付のカウンター席にまわり、座った。
図書委員か――。
僕がここへ来た時、誰もいなかったから変だと思ったけど、用事でも済ませてたんだろう。
入室者の正体もわかったし、宿題宿題……。

――カチ、カチ、カチ――
室内の時計の針、グラウンドの運動部の掛け声、体育館での合唱練習の綺麗な歌唱――落ちる夕日に合わせて届く遠くからの音に、どこか感傷的になりながらも、それに浸る暇はないと自分に言い聞かせ、広げたノートに目を見開く。
僕は、集中力にはいくらかの自信があるつもりだ。だけど、今日に限っては、うまく集中できない。
原因はなんとなくわかった。
――彼女の視線を感じる。
視力の悪い僕は、遠くの方がぼんやりとしかみえないけど、こちらを見ているのははっきりとわかる。さきほど図書室に入室してから彼女は、受付席に座ったきり、動いていない。
まっすぐ一点を綺麗な姿勢で、微動だにせずこっちをみつめる彼女の姿は、少し怖かった。
集中できない……。

「なにしてるの♡」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
突然、背後から呼びかけられて声がうわずる。
さっきまで受付にいたはず――なのに、彼女はいつの間にか僕の背後にまで迫っていて……驚きのあまり席から飛び上がった。
「私のこと、わかる?」
「え、えっと……すみません」
見覚えがない。
「え~ひどいなぁ、同じクラスなのに」
同じクラス……?
それなら覚えているはずだ。
女子とはほとんど話さないけど、顔を見れば流石にわかる。それでも、彼女にはやっぱり、見覚えがなかった。
「素直になれば――楽になるのに」
小声のつぶやきはよく聞き取れない。
――それにしても。
よくよく近くでみるとわかる。
彼女はかなりの美人だ。
ブロンドの髪は、この図書室からは少し浮いて見えるけど鮮やかで、綺麗な姿勢は品が良く、穏やかな表情には奥ゆかしさを感じる。
彼女を見ていると、心がどこかへ吸い込まれていくようで、この身を全て預けたくなってしまうような――そんな気さえした。
「ね、コレ、試してみない?」
「え、うん……いいけど……」
宿題をしないといけないのに、彼女に見蕩れてボーッとした頭は、つい二つ返事をしてしまった。ただ、顔を忘れていた引け目もあったから、少しだけ話に付き合うことにした。
「催眠アプリっていってね、少し前にクラスで流行ってたんだよ……磯崎君は知らないか♡」
「そんなの流行ってたっけ……」
というか、僕の名前を知っているってことはやっぱり同じクラスなのかな……。
「ヒーリング効果があってね、受験勉強にも役立つみたいだよ。磯崎君」
そう言って彼女はスマホを取り出すと、催眠アプリを起動させた。
「ほら、みてみて♡」
グイっと突き付けられたスマホ画面からは、赤と黒のわっかが交互に広がっていくのがみえる。それと同時に、波打つような効果音がループ再生されていた。

ヴぅぅぅぅん――
ヴぅぅぅぅん――

変なアプリ……。
正直、くだらないと思った。
ただ、この催眠アプリというものにはどこか既視感がある。関わってはいけないような――
「私、ずっとみてたよ。キミが一生懸命頑張ってるとこ♡」
「え?」
「たまには休んでいいんだよ。厳しい現実ばかり見てたら息が詰まっていつか壊れちゃう。だからそのまえに――」

「さぁ、息を吸って……」
肺へ酸素が送られてくる。
同時に、彼女の香りも。

「吐いて……」
言われるままに吐きでていく。
自分の意思ではないように――









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