カテゴリー: Pixiv小説

  • 最後村の宿り娘

    「ついにここまできたな……!」

    ここは通称――《最後の村》。
    冒険者の間ではそう呼ばれている。
    魔王城に一番近い村であることと、この村に辿り着いたと思われる冒険者たちがみんな消息不明になっていること……それらから畏怖の念も含めてその名がつけられた。

    見上げると山の頂にはそびえたつ魔王城が見え、旅の終わりを感じさせる。
    十数軒の家屋が立ち並ぶ小さな村。実際に来てみると集落のようで、人口はかなり少なそうだ。それでも魔王城がこれほど近くにあるにもかかわらず魔族に支配されずに残っているというのは、もはや奇跡といっても過言ではないだろう。

    魔王を倒すのは俺の使命だ。
    俺の故郷は魔王軍に滅ぼされ消えた。それ以来、復讐心に駆られた俺は魔王を倒すためにレベル上げをしながらひとりで旅をはじめた。

    現在のレベルは99……ソロで地道に旅してきた俺はなるべく弱くて経験値の多いモンスターを狩り、効率よくレベルを上げていく。ソロだと経験値が分配されない分レベルが上がりやすい。冒険者はパーティ行動が主流だから、おそらくレベルがカンストしたのは俺が最初だろう。
    あとは魔王と1対1にさえ持ち込めばきっと勝てる。
    勝利は目前なんだ。


    ……最後の村、来訪初日。

    今日は日も暮れているし、魔王城へ向かうのは明日だ。
    宿屋に泊まって英気を養おう。

    「ようこそ……冒険者さま」

    宿屋に入ると出迎えてくれたのは年端もいかない少女だった。
    袖のない白のワンピースはおおよそ従業員としては似つかわしくない格好だ。肩まで伸びているこの辺ではあまり見かけない黒い髪は、少し赤みを帯びていてやけに艶やかにみえる。

    「一泊1000Gです」

    宿屋のカウンターごしに少女がつぶやく。
    ここの受付であることは間違いないようだ。
    1000Gは一般的な宿屋の宿泊相場にあたり、高くも低くもない値段。

    ――現在の持ち金は10000G。
    旅に必要な最低限度の物だけ持ち歩いていた俺は、金も節制するためにほとんどを冒険者ギルドに預けていた。しかし外には強力な魔物も多く、野宿はできない。ありがたく泊まらせてもらおう。

    「お客さん少なくて経営が苦しくて…すみません。……そのかわり魔王討伐のためにいらっしゃったお客さまには特別待遇させていただいてます……」

    「………」

    魔王を倒しに来たとは一言もいってないけど……まあわざわざこの村へ来る冒険者の目的なんてひとつか。よくみると建物もボロくなってるし、このランクで一泊1000Gはやや高め……

    「あ、あのぅ……」

    “ぎゅううっ~……”

    小さく柔らかな両手が、カウンターに乗せていた俺の左手をそっと握りしめる。

    「…………え??」


    ――思わず目を見開いた。
    えりなちゃんの後ろにゆらゆらとゆらめくピンク色の、先っぽにハート型をした突起のある紐状のものが伸びていた。長い旅の中で同じようなものを何度か見たことがある。
    これは淫魔の……尻尾だ。

    「えり…おまえまさか……サキュバスなのか!?」

    思わず距離を取ろうとする。
    だけど俺の手を掴んだえりなちゃんの手は、か細く弱々しい手であるにもかかわらず、何かの魔力を帯びているようで引き離すことができない。いや、むしろ……

    「まってくださいっ!……えりなは確かにサキュバスです。でも、悪いことはしません。えりなは魔王の支配下にはない独立したサキュバスなんです。ここに宿屋を建ててニンゲンさんたちにバレないよう、こっそりと暮らしてます。冒険者さまの邪魔なんてしません……。それでもえりなのこと……やっつけちゃいますか?」

    握られた手の甲を指先がそっとなぞる。
    その指はくるくると円を描き、描いた数だけ、その手を解こうとする力を俺の中から奪っていった。

    「ねぇ~……冒険者さまぁ……」

    えりなちゃんの大きな瞳が俺を覗き込む。
    可憐な幼い瞳の瞳孔には光というよりは深淵がみえ、奥へ、奥へ……身体ごと引き摺り込まれるような錯覚に陥るほどの魔性の魅力を感じた。

    (なん、だ……さっきから……頭が……
     まずい。この娘……ただのサキュバスじゃ……)

    視界がぼやけて霞んでよくみえない。
    なのに、えりなちゃんの姿だけは不自然なほどくっきりとよく見える。

    「ほら……きもちを楽にして……えりな……良い子にしてます。こんな非力で小さなサキュバスに、大したことはできませんよ? できることといえば~……冒険者さまへのご奉仕くらいですぅ……♥」

    スウッと目と鼻の先にまで近づくえりなちゃんの顔。
    白く絹のように透き通った肌に見惚れ、欲情は更に昂っていく。

    「はぁ、……はぁ…………っ!!」

    「おちんぽ……くるしいんですね……。
     かわいそう。えりなが慰めてあげますよ♥」

    “ズポォ……っ!!”

    ズボンのウエストから二匹の白ヘビが侵入する。
    10本の指先が亀頭に添えられ、そのまま竿の根元までずるりと下ろされる。イキリ勃った肉棒の両脇を包み込んだやわらかな両手は、これからやって来る至福の時間をいやでも予感させた。

    「えりなのおててまんこでぇ……冒険者さまの、たべちゃいましたぁ♥ もういやいやしても逃げられませんよ……♥ 互い違いにさきっぽから根元までずるぅ~、ずるぅ~、っておててで擦るとぉ…男の子はみんなお顔とろかせてダメになっちゃうんですからぁ……♥ いきますね……♥ こきこき♥ こきこきこき♥」

    “ズリ!ズリュリュ!ズリッズリッズリ……ッ”

    「あぁ…! すごぃ………っ。それすごぃ…!」

    側面を交互に擦りあわされ肉棒がうねる。そのあまりの気持ちのよさに悦びの声をあげるかのように、先端からは腺液がとめどなく溢れ出た。堪らずズボン越しに手で抑えるが止まらない。弱点をおさえた十指は静止もきかずに暴れ回った。

    「とろとろ気持ちいいお汁、垂れてます♥ このお汁がおちんぽに絡むともっと気持ちよくなるんですよ♥ そんなお汁を自分から出しちゃうなんて冒険者さま……やっぱり期待してたんですね♥ えりなとえっちなことする妄想♥ 今日ここで会ってからずっとしていたんですね♥ しこしこしこ♥」

    ちがう……と言いたいのに言葉がでてこない。
    肉棒に這う触手に、目の前の女の子に、逆らうことをはばかられている。

    「ところでこれ……当宿のサービス“手コキ接待”です♥ なので射精しちゃうとサービス料3000Gを別料金で頂くことになりますけど~……いい、ですかぁ? 亀さんすりすり♥ カリ首こりこりこりこりーー♥ しっこしっこしっこしっこ♥」

    「あっ♪ あっ♪ いぃ! ……いい!」

    丹念に、丹念に。男の弱い部分は全て知り尽くしているといわんばかりにヌチヌチと股間を柔手がやさしく弄る。未知の快感を流し込まれた俺はただあえぐことしかできない。

    ……えりなちゃんの声はしっかり聞こえている。だけど、今味わっている官能の前には対価として支払うものなんて些細なことに過ぎない。俺は二つ返事で快楽を貪る選択をした。

    「ふふふ♥ ……じゃあ汚いせーえきコキ捨てちゃいましょうね♥ えりなのおててに操られて、このままたまたまの中のせーしどぷどぷーっておもらしして果てちゃいましょう♥ えりなにイジめられて溜まったこゆ~いマゾ汁、おてての中に出しちゃいましょうね♥ 亀頭ぐりゅりゅぅううう♥ 竿を上下にごしごしごし~~♥」

    目下のズボンの隙間からは、泡を吹いて悦ぶ男根。そしてそれにとどめをさそうと手淫するぬめった艶やかな掌が、ズボンの奥底へと出入りを繰り返しているのがみえる。完全に男をイカせるためだけに動くいやらしい手の動きをみて悟る。
    我慢なんて、できるはずがなかった。

    「ぴゅっぴゅっぴゅ~♥ ぴゅるる~♥ ぴゅぴゅぅ~♥」

    えりなちゃんの囁きと共に勢いよく欲望の塊は吐き出される。生きてきた中で一番の快感ともいえるほどの射精を味わい、俺はその場で倒れ込んだ。

    「お部屋のベッドまでお連れします。それと寝る前に、サービス料はお願いしますね……♥」

    部屋まで行くと俺は朦朧とする意識の中、金だけを支払いすぐに眠りについた……。

    ――――《残り所持金6000G》。

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  • 爆乳ロリ星人の誘惑交渉

    俺は坂下赤也さかしたあかや。
    一応ヒーローをやっている。
    いまでこそひとつの町のしがない警備員といった感じだが、昔はそれなりに強大な悪と死闘を繰り広げたし、世界を救うようなこともあった。赤いスーツを身にまとい、奇人・怪人・宇宙人……あらゆる敵と対峙した。
    
    ――この世界のヒーロー寿命は短い。
    20歳を過ぎると体内に滞留するヒーローエナジーが失われていき、能力が減退期へ突入。それから3年もすると変身することができなくなり、ヒーローとしての活動は実質そこで終えることとなる。
    ……今年21の俺はもう間もなくといったところだ。変身できなくなっても後進育成の仕事が残っているけど……まあそこそこやっていけたらいいかな、と思っている。
    
    今の俺は最前線から退きフェードアウト中。
    この狭いアパートに一人でいると、自分がヒーローだなんて絵空事のように感じるし、傍から見たらただの一般人だろう。でも物心ついた頃からずっとヒーローとしてやってきたからか、一般人としての暮らしもやぶさかでなく、どこか楽しみでもあった。ちょっと早めのセカンドライフといったところか。
    
    この小さな町だけの管轄になってから、出動は3ヵ月に1回くらいの頻度に落ちていた。平和なのは良い事だけど……正直もの足りなさがあるのもまあ事実だ。
    
    「今日も予定ないし家で寝てるか……」
    
    ――もしかしたら……。
    これが燃え尽き症候群というやつなのか。
    
    
    
    “ピリリ、ピリリ、ピリリ”
    
    変身端末にヒーロー本部からの通信がくる。
    
    『地球外生命体の反応です!座標だと、どうやら赤也さんのすぐ近くにいるようなんです!宇宙船の型から推測して、おそらく爆……』
    
    “プッ―――”
    
    「おい、どうした?おい」
    
    急に通信が途切れた。
    端末の状態を確認する――
    
    「電波が…圏外だ」
    
    ふいに――周囲が暗くなる。
    日当たりのよくないこのアパートでは、天気が優れないと電気無しでは生活できないほど部屋が暗い。アパートの向きとか、隣の高層マンションが影になっている関係みたいだが、とにかく暗い。
    
    「……それにしても暗すぎじゃないか!?」
    
    昼間なのに。
    俺の部屋は自分の足元も見えなくなるほど暗くなっていた。いくらなんでも昼間にこんなに暗くなったことは2年間住んでいて一度もなかった。
    これじゃ夜と変わらない。
    天気を伺うためにベランダを覗く。
    すると――
    
    見知らぬ少女が佇んでいた。
    
    
    
    (ばかな……ここは3階だぞ……?)
    
    いつのまにか自宅のベランダに立っていたその少女はスッと窓を開け、当然の権利かのように土足で俺の部屋へと侵入してくる。
    
    碧い髪と紫に染まった眼……この子が通信で言っていた地球外生命体であることは、非常識な行動と容姿からすぐにわかった。
    しかし――特に気になる部位がある。
    小さい体に反してアンバランスな大きさ。
    零れ落ちていきそうなほど滴る双房。
    目を引いたのは……胸だった。
    
    (おっぱい……でっか……ゴク)
    
    ――でかい……でかすぎる。
    黒いレオタードのようなスーツを着ているものの、それは上半身にまで行き届いておらず、胸の先端の大事な部分以外はほぼ剥き出し状態。弾け飛びそうなほどの乳肉を惜しげもなく晒し、露わにしていた。その二つの乳房に紡がれ、間には深い深い谷間の線がくっきりと長く伸びている。……エロ……エロすぎるだろ。
    
    「はじめまして♡♡
     テイルレッド、いえ――坂下赤也さん♡」
    
    「なっ、どうして俺の名を!」
    
    「あなたの個人情報は調査済みです♡ かつてこの星を救ったテイルレッド。ブレイドブルーとのコンビネーション戦闘がウリで、二人の前に敵はないと周りからも絶対の信頼を置かれていた。でもいまは落ち目でさびれた町のヒーローをほそぼそとやっている。……そんなところでしょうか」
    
    …………。
    おちつけ。
    落ち着くんだ。
    このくらいのことは一般人でもしらべればわかること。
    あせれば相手の思うツボだ。
    
    「……用件は何だ。内容によってはここでやりあうことになるが」
    
    「せっかちさんですね♡ ではずばり言います。あなたのヒーローエナジーを提供していただきたいのです。私達は現在、軍備増強の施策を惑星規模で行っています。その一環として、より強力な兵士を量産するためには赤也様のヒーロー遺伝子がどうしても必要なのです。すでに他の準備は整っていて、あとは赤也様のエナジーの分だけ兵士を無限に作れる状態です。もうすぐエナジーが完全に尽きてしまうんでしょう?そうなる前に私達に有効活用させてもらえませんか」
    
    「争いの種をこれ以上増やすわけにはいかない。悪いがお断りだ」
    
    何を企んでいるかと思えばそんなことだったか。
    こうした手合いは得てして碌なことに力を使わない。
    まだ悪さはしてないものの、本部に連行したほうが良さそうだな……。
    
    
    
    「そうですか。では1つお教えしましょう……エナジー採取の方法を知っていますか?」
    
    「あ?」
    
    「さっきから目を離せないでいるコ・レ♡ ですよ♡」
    
    “ぷるるるぅぅんっっ♪♡♡”
    
    「!」
    
    目の前で大きな乳房が揺れ、躍るように弾みあがった。
    
    「パイズリで精液をシゴきだして、そこからエナジーを採取するんです♡ あなたはおちんちんに柔肉の感触をたっぷりと味わうことになるので、エナジーを提供するたびに至上の快楽が約束されます♡ 気持ちがいいんですよ~♡ 私のおっぱい♡」
    
    プルプルと感触を見せつけるように小刻みに揺らし、震える巨大な果実の前であっけにとられる。その迫力に一瞬我を忘れるほどだった。
    
    「言い忘れていましたが、私はメルリ……搾精ホムンクルスのメルリと申します。オスを快楽で悶えさせて精巣から精子を搾りあげるために生みだされました。これまでも様々な星のオスたちが私のおっぱいの虜になり、自ら精子を差し出してくれる精液サーバーにすることに成功しています。私たちはどんなおちんちんでも悦ばせる、あらゆる能力をもっているんですよ♡」
    
    「例えば人の身ではできない……こんなことも♡」
    
    “チカチカチカチカ…………”
    
    「!!??!?!?!!?」
    
    赤緑青黄紫白橙…………
    メルリの瞳孔の色が高速で変化していた。
    その眼をみていると……
    なんだか……
    頭が変に…………きもちよく……
    
    「どうですか?あなたの意思とは関係なく強制的に性欲を増幅される気分は♡ この眼を見てしまうと催淫効果によって理性では抑えられないほどの発情が促されるんですよ♡ 人間のオスには少々効き目が強すぎるでしょうけど……いかがでしょう♡」
    
    「……ア……あへ……♥」
    
    「ふふ♡ よだれを垂らしてしまって……よっぽどお気に召したんですね♡」
    
    ――メルリから視線を外せない。
    ……気持ちいい。
    緊張で強張っていた体の力が抜けていく。――使命感、猜疑心、克己心……戦いに必要なものが薄れていき、性を満たすための欲求が心からじわじわ溢れ出していく。メルリの眼をみつめるほどに全身の筋肉が弛緩していき、立っているのさえやっとの状態だった。
    
    「安心してください、私はあなたの味方です……♡ なので1回だけ……1回だけでいいんです。お試しでおっぱいにおちんちん挿れてみるのはどうでしょう♡ 1回だけなら無償で、パイズリによる擦りあげを体験していただけます♡ そうすればこの依頼がどれだけ魅力的なのか、わかっていただけるはずですし、イヤならすぐに止めていただくこともできます♡ あなたはリスクを負わずにおっぱいを楽しむこともできるわけです♡ エナジーの提供をしていただく必要もありません♡ いかがですか?」
    
    1回だけならリスクなし……。
    無償でパイズリ……。
    ま、まて。
    そんな都合のいいことがあるか?
    やっぱりこれは罠で――
    
    “むちにゅ♡むにぃ♡にゅむぅ♡”
    
    「あっ…!」
    
    「1回で止めれば♡」
    
    “むちん♡にゅちぃ♡ぬちぃ♡”
    
    「あっ…あっ…」
    
    「あなたには得しかないですよ♡」
    
    “むちっ♡ぬちっ♡にゅむるぅ~♡♡”
    
    「はぁ……はぁ……っ♥」
    
    小さな手につぶされて次々と形を変えていく双乳を見ていたら、どうしようもない欲情に駆られて股間が勝手に膨張してしまう。だめだ……目の前の子供は敵の可能性が高いんだぞ。警戒しろ……闘士を呼び覚ませ――
    
    「我慢しててもしょうがないですよ♡ 奥まで深く浸かって楽になりましょう♡ 左右互い違いにおっぱい揺らしてぇ~~……ぬちぬちぃ~~♡♡♡っぷるるるぅぅ~ん♡♡♡」
    
    無造作に飛び跳ねる乳房に理性が溶ける。
    警戒する心が爆乳にぜんぶ奪われていく。
    
    ――入れたい。
    このおっぱいに。
    奥の方まで。
    チ〇コ挿れたい。
    思いっきり突きいれたい。
    本能のまま貪りたい。
    
    「ふふ……♡ したいんでしょう? おっぱいでヌキヌキ♡この谷間におちんちん埋め込んでくれたらめちゃくちゃにかき混ぜてあげますよ♡ びゅるる~んって精液を抜き取るんです♡ お顔トロトロに溶けてなくなるほどシゴき倒しちゃってもいいんですよ♡」
    
    「ここには今、私とあなたの二人しかいません♡ 電波も私が完全遮断しているので盗聴される心配もない♡ ここで起きたことは誰にもバレないんです♡ 作戦中だけどえっちなことし放題♡ 気兼ねなく私でシコシコしちゃえるんですよ♡」
    
    滑らかな肌から伸びる長い谷間。
    覗き込むようにそれを見ると、あまりに深すぎて中に吸い込まれていくようだ。
    やばい……こんなのに入れたら絶対ヤバい。
    さっきからこの巨乳で起こり得るあらゆる快楽の妄想を頭が膨らませ続け、もう…我慢の限界だった。
    
    「…………1回だけだぞ」
    
    「ありがとうございます♡」
    
    大丈夫。
    1回だけ。
    見たところ素手だし攻撃手段も持っていない。
    危険を感じたらその時点で始末すればいいだけのことだ。
    
    「んっ♡」
    
    艶やかな声と共に、ぐいっと谷間をこちらへ寄せてくる。
    確実に入れた瞬間に射精してしまうとわかるほど、男の精を搾り尽くすために生まれたような魔乳。
    コレに今から俺は入れるのか……
    
    身長差の関係で丁度、俺の股間とメルリの乳房が同じ高さにあった。
    ズボンからチ〇コを出し、あとはただ前に進むだけで挿入できる。
    1歩……2歩……。
    透明な汁で溢れ我慢の限界になっているチ〇コが、今か今かと肉壁の中へ飛びこもうといきり立っている。
    
    さきっぽがふれて――
    “ツプっ”と音を立てた。
    
    「はい、つかまえた♡
     もう逃がしませんよ♡」
    
    「!」
    
    “ズププププププププ――――♡”
    
    「あっ……………は」
    
    挿れた拍子にびゅるびゅると精子が漏れ出る。
    深い谷間にまっすぐ突きさした竿は、一度その深奥まで到達しただけで刺激に耐えきれず果ててしまった。
    両乳房から押し寄せたやわくしっとりとした感触は瞬く間に俺の体を侵食していき、たったの一息でひねりつぶすように絶頂させられた。
    
    「あれれ、もう出しちゃったんですかぁ?♡ お試しは1回まで、確かにそう言ったはずですが~……」
    
    「うるさいだまれ」
    
    「あん♡」
    
    知らない。
    1回とか知らない。
    突け。穿つほど突け。
    欲望のままに突き動かせ。
    
    「そんなの知った事じゃない!どうせ誰も見ていないんだろう。ならここで気のすむまで抜きたおして、あとでおまえを始末すれば万事丸く収まるじゃないか。こんな宇宙から飛来した生物一匹、いなくなったところで誰にもわからないだろう。おまえが泣くまで犯しまくってやる!覚悟しろ!!」
    
    「ふふ…♡ ヒーローさんこわぁ~い♡」
    
    俺は一心不乱にイチモツを突き動かす。
    ヤってやる。ヤってやる。
    生意気な口を二度ときけないようにしてやる。
    
    ――そのつもりだった。
    動いているのはこちらのはず――
    なのに、意思を持っているかのように蠢きまわる乳房が吸いつくように肉棒をかき乱し、まるで俺の方がこの柔肉の脈動に沿って操られているようだった。
    
    「ヒーローがこんなメスガキに負けちゃっていいの?おちんちん操られて好きにされちゃってもいいの?」
    
    「!俺は負けていない!!主導権を握っているのは俺だ!このっ!このっ!」
    
    自分のカラダが乱暴に扱われているというのに嫌なそぶりをするどころか、余裕そうな笑みを浮かべたまま表情が一切崩れない。柔らかい胸の感触こそ極上だったが、この生意気な表情を歪ませてやりたい。
    ――俺だけこんなに必死に腰振って。
    まるで猿みたいじゃないか。
    
    「おい。おまえが今どういう立場かわからせてやる。ケツ向けてマ〇コ出せ!そして…………え?」
    
    「……♡」
    
    ……おかしい。
    抜けない。
    おっぱいからチ〇コが抜けない。
    別にメルリの腕に抑えつけられているわけじゃない。
    拘束なんてされていない。
    まるで暗示をかけられているかのように……ずっぽりと乳房に沈みこんだその肉棒を引き抜くことができなかった。
    
    「抜け出せないんですね♡ ……ここから出られないのは、あなたが深層心理で、本当はもっとパイズリしてほしいと思っているからです♡ あなたがおっぱいに満足するか、私の許可なしではもうおちんちんは離れません♡ 私の前で性欲にウソをつくことはできないのです♡ これだけコケにされてもまだおっぱいがほしいだなんてあなた……やはり、マゾなのですね……♡」
    
    「は?ま、マゾ?俺が……?」
    
    「とぼけなくても大丈夫です。あなたがいつも作戦おわりにマゾオナニーしていたこと、私は知っているんですよ。女性型の怪人が現れた時、いつも逆レイプされる妄想をしてましたね?その敵に似た人物のアダルト映像媒体を探しては性癖を消化していたこと、私は知っています。仲間の女性隊員が敵に洗脳されてあなたに色仕掛けをした時……何度もそれをズリネタに抜いてたの、私は知っています。悪い女の子のえっちな誘惑で篭絡されるのがぁ……だぁ~いすきなんですよね♡」
    
    「ちがっ、ちがう!ちがううっ!マゾじゃ…お、俺はマゾなんかじゃ……」
    
    「このマゾ♡♡」
    
    「あんっ♪」
    
    「おまえがマゾなせいでおっぱいから抜け出せないって言ってるんですよ♡ マゾだからこんなので感じられるんです♡ 言葉、わかりますぅ?♡ ほら、マゾはこうやって年下の女の子に乱暴にされるのが好きなんですよ♡ ほぉら♡ おまえの大好きなおっぱいですよ~♡ ずりずりずりずり~~~♡♡♡」
    
    “ズチッ♡ズチンッ♡ズチッ♡ズチンッ♡♡”
    
    「う、うわぁぁあぁぁあ…っ!!」
    
    さっきまでと全然動きが違う。
    乳房がかけてくる力は精子を搾り出すために必要なものだけになり、快感に変換される刺激だけを的確に一物へと流し込んでくる。本気でイカせにかかっている。
    
    これ以上イクのはだめ。
    でもおっぱいから引き抜けない。
    おちんちん気持ちいい。
    おっぱいでおちんちん気持ちいい。
    柔らかくて。絡みついて。沈みこんで。
    すべすべなのにぬちぬちしてて……
    ――我慢なんて……無理だ。
    
    「抜けないね♡ 
     おちんちん抜け出せないねぇ♡
     大きなおっぱいに挟まれて♡
     呼吸できなくて苦しそうだね♡
     メルリがスッキリさせてあげる♡
     いっぱい出そうね♡
     ぎゅっぎゅ♡ ぎゅっぎゅ♡
     にゅちにゅち♡ にゅっにゅっ♡
     ほら♡ だせ♡ 
     汚い精子みっともなくだせ♡
     だせ♡ だせ♡ だせ♡ イけ♡」
    
    “びゅびゅぅ!びゅるるるるぅうぅ~~~!!!”
    
    勢いよく出ていく精液はメルリの体に付着した後、染みこむように消えていった。
    
    「出した精子は専用の精液サーバーへ転送させていただきました。……これで2回目の射精ですので契約に同意し、ヒーローエナジーの提供に協力する意思があるものとみなします。」
    
    「い、いやぁ……出して、出してぇ……」
    
    「……少ししつけが必要ですね♡」
    
    
    
    ――このあと何度も搾り取られた。
    波打つ軟乳を寄せては返し、寄せては返し……にゅるにゅると纏わりつく淫らに紅潮した肌に翻弄され果て続けた。
    射精した精液はすぐに転送されて消えるから、いつまでもきめ細やかな肌の感触を味わうことができる。掃除の必要もないからシームレスにパイズリされ、俺に休む暇は与えられなかった。
    抜け出せないパイズリ地獄――。
    無限ループに嵌まりこんだようだった。
    
    「おっぱいに操られたくなるそのどうしようもないマゾ性癖を満たせるのは私だけ♡ これでわかったでしょう♡」
    
    「…………。」
    
    抗う気力が残っていない。
    もう……どうにでも――――
    
    「そろそろいきましょうか♡
     愛のゆりかごへ♡」
    
    小さな手に腕を掴まれ、ベランダに連れていかれる。
    
    
    
    いつのまにか空に浮かんでいたUFO。
    
    そこから一閃に伸びる光に当てられ
    
    体は宙に浮き
    
    
    ――俺は
    
    
    
    
    
    そのまま内部へと引き込まれていった。

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  • 月明かりのロリ淫魔~裏切りレベルドレイン~

    「……報告は以上だ」
    「夜遅くまでお疲れ様でした、勇者様。お気をつけてお帰り下さい」

    ――ようやくギルドでの活動報告が終わった。
    今日受けた依頼は「サキュバスの討伐」。
    4人パーティの俺たちは手分けしてサキュバスの巣を探しだしたが、発見した巣の中はもぬけの殻だった。室内に魔力が残留していたことから、さきほどまでそこにいたことが伺える。おそらく俺たちが捜索していることに気づき、未然に逃亡したのだろう。
    サキュバスの中には魅了した人間と一緒に住み、隠れ蓑として利用する狡猾な奴もいると聞く。憶測になるが――既にこの街に侵入してどこかへ潜んでいる可能性が高い。
    戦闘能力こそ低いものの、魅了の力で冒険者を操り、レベルや持ちもの、それに強い心……旅を続けるのに必要なあらゆるものを奪っていくため、サキュバスはかなり危険度の高い魔物として扱われている。この近辺でも多くの冒険者が被害を受けているらしい。

    そのサキュバスの名は<リリア>という。
    被害者の大半は寝言のようにその名を連呼し、無気力の廃人と化している。

    ……本来、国王より命を受け、勇者一行として旅をしている俺たちは、ギルドの依頼を受けるようなことはしない。だけど、冒険者たちもかなり手をこまねいていて街への被害は広がる一方。そこで、たまたまこの街を訪れた俺たちに白羽の矢が立ったというわけだ。

    仲間には先に宿へ戻ってもらっている――。
    俺も早く帰って明日に備えよう。

    まだ夜更けともいえない時間なのに、街の明かりはほとんど消えている。
    サキュバスは夜に活動的なのもあり、この時間は皆襲われることを恐れて出歩かない。

    ここの歓楽街を横切れば、もう数分で宿にたどり着く。
    へとへとになった体が悲鳴を上げ始めているが、もうひと踏ん張りだ。

    「…………おにーさん」
    「ん?」

    声の主を探す。

    ――薄暗い路地裏から体を半分だけ覗かせている人影があった。
    赤茶けたローブで全身を覆い、顔もフードで隠れて見えない。声は女のもの……背丈は人間の子供ほどしかなかった。

    「冒険者さんですよね。
     私とイイコト……しない?」

    ――……間違いない、淫魔だ。

    容姿は見えなくとも魔力でわかる。
    あきらかに魔物のソレだった。

    「お前……サキュバスだな」
    「!!」

    驚きで体を反らしたのがみえた。
    サッと身をひるがえし、路地裏の奥へ逃げていく。

    「待て!!!」

    逃げ出したということはやましいことがあるという事。
    つまり間違いなく……クロだ。
    話が早くて助かる。
    ここで捕まえるか始末するかすれば依頼完了だ。

    ――追いかけた先は袋小路だった。
    退路を塞がれた敵の淫魔は丸ごし。
    対する俺にはいつもの剣がある。
    形勢は火を見るより明らかだ。

    「う~……」
    「勇者の俺に声をかけたのが運の尽きだったな」

    並の冒険者では魔力までは感じても、それが魔物のものかまでは感知できない。魔力だけで様々な情報を知ることができるのは、勇者ならではの感知スキルだといえるだろう。
    俺は背中の剣を抜き、かまえた。

    「ま、まって……私は悪くない……。冒険者さん達が勝手に私へ精気を捧げていただけ。何もしなくてもみんなが自分から精気を捧げに来るの……私のせいじゃない……私は何も、してないよぉ……」

    「では、自分から襲っていたわけではないと?」

    「うん……」

    「悪いがそんな言い訳は通じない。ここで倒されてもらう」

    淫魔の言葉ほど信用できないものは無い。
    やつらは様々な手段で誘惑し、獲物を刈り取る悪魔だ。
    ギルドからは捕獲でも討伐でもいいとなっていたが、仲間の手を借りずに捕獲するのは厳しい。
    悪いがこのまま――

    「ほんとだよぉ…これが…証拠……みて♥」
    「……な、あっ」

    ローブの前が淫魔の手によりはだける。
    隙間には胸と秘部だけを薄い布で覆っただけの、ほぼ裸の少女が覗いてみえた。
    月明かりに照らされ青白く輝く乳白色の肌からは不思議な魔力を感じ、心が強く引き寄せられるようだった。ほんの少し見えているだけなのに、欲情がみるみる込み上げていくのがわかる。
    俺は淫靡なカラダの釘付けになった。

    「私の身体ってとても魅力的みたいで……巣の周辺で出会った冒険者さんは男女関係なく夢中になっちゃうの……。勝手に見抜きしたり、強引に私のカラダを弄んだり……中には……そのままココに挿れちゃう人も……いるの。人間は淫魔の魔力に当てられやすいみたい……」

    つるつるの膣穴が両手で広げられる。
    ニチャという音がこちらに届くほど響き渡り、膣の奥から粘性の汁がにゅるりと滴り落ちて地面を濡らす。

    「私……濡れやすくて……おま〇こだけじゃないの…。汗もかきやすくて全身がすぐぬるぬるになっちゃうから……その……すごく、イイみたいだよ?」

    しなをつくりくねくねとカラダを見せつけてくる。
    ローブで見え隠れする胸、お腹、腰のライン、尻、太もも……あまりに扇情的なローブ内の情報量に頭が焼きつきついていかない。
    外見は子供なのにカラダは人を狂わす魔性そのものだった。

    「はあ……はぁ…………」

    「くすっ♥私のムチムチなカ・ラ・ダ♥
     触ってみたいって今、思ったでしょ♥」

    「ぐ、そんな……おもうわけ……」

    「これからはもっと人目につかない所で暮らすようにするよ。
     だから……見逃して?♥」

    「ば、信じられるわけないだろ……!」

    「そんなぁ……ほら、私の眼をみて?
     これがウソを言ってる眼に見えるの?」

    俺はつい反射的に目の色を確認してしまった。
    フードを被って見えないはずの眼。
    それが赤くあやしく光り輝き――
    俺の脳裏を貫いた。

    キィィィィィイイイ―――――♡

    「あ、が…ぁ」

    握っていた剣が地面に落ちる。

    ――眼をみて一瞬の間もなかった。
    まっさらの空白に頭は染まり、全身の力という力が抜け落ち……果てた。

    “とぷん、とぷん、とぷん…………♡”

    やさしくて甘い射精――。
    肉棒に一切の直接的な刺激はなく、赤い瞳を覗いただけ――それだけで全身は快楽に打ち震え、弛緩し、絶頂とともに白く濁った液が尿道からゆっくりと漏れ出た。

    「……ね……ウソなんてついてないって……わかったでしょ……?こんなに気持ちよくしてくれる相手が敵なわけないって、おにーさんならもうわかるよね……?」

    淫魔がじりじりとにじり寄ってくる。
    まずい――
    一旦距離とるべきだ。
    体を動かそうとする。

    「あぐ…く…くるなぁ……!」

    だが――動かない。
    両ひざが地面についたまま動いてくれない。
    体勢を立て直せない。
    手を前で払うのが精一杯だった。

    「おにーさんには~……♥
     私のこと……もっと知ってほしいな……♥」

    さっきの瞳による影響か……脳に直接話しかけられているかのように淫魔の声が反響する。

    「私ね、おにーさんがしてほしいことしかしないよ♥イヤがることは絶対にしない♥損することはしない♥よろこんでくれるコト、勇者くんがしてほしいコト……私にしかできないすごいコト……信頼してくれたらたくさんしてあげられるんだよ♥きょうみ……あるでしょ?」

    もがいているうちに淫魔はもう目の前まで近づいていた。
    ローブがゆっくりと広げられていく。
    それはまるで、獲物を狩る捕食器官のようにみえた。

    「ねぇ~……」

    「『ロリ淫魔とナイショの契約、しよ♥』」

    ローブに身体が包まれていく。
    俺は何も抵抗することができず――
    淫靡な空間へと取り込まれていった。

    《淫魔の抱擁》♥リリア・チャーム

    「アッ………」

    淫魔の身体が薄く輝く。
    月明かりだけの夜の路地裏。
    ローブの中は暗闇のはずだった。
    なのに視界一面にピンクの霧が漂い、少女のおなかも胸もはっきりとみえる。

    勇者としての直感が――
    絶対に今呼吸をしてはならないと訴えた。
    それでも――吸いたいという強い欲求に逆らえず……
    俺は一気に深呼吸をした。
    (スーーーーー…………)

    “むあぁあぁああっぁああ……………♥♥♥”

    「これ゛ぇ!!ぎぼぢいいぃぃぃぃぃっっっ!!!!」

    “びゅう!びゅびゅびゅびゅびゅ~~~~~!!!!!”

    俺の股間は少女の匂いに耐えきれず暴発する。

    「すごいでしょ~~♥私の汗や匂いって人間が触れちゃうと性感帯みたいに全身ビンビンになっちゃうんだよ♥感じすぎてわけわかんないね♥そのままおにーさんは脳みその奥までぐずぐずに溶けて、きもちよーくイキつづけるんだよ♥こんな快感、他じゃぜったい味わえないんだから♥たくさん吸っておこうね♥」

    顔に両手を回されてがっちりと掴まれ、胸の谷間の汗が顔にべったりとこびりつく。ピンクのフェロモンはぎゅうぎゅうと押し付けられるたび周囲に舞い上がり、皮膚をくすぐり撫で上げ、意思を持っているかのように快感を増幅させるよう弄る。
    神経が剥き出しになったかのように全身が熱い。

    「ほーら、息を吸って~……」

    声に合わせて息を吸う。

    「吐いて~」

    吐いたその拍子に……

    “びゅるっびゅる……びゅるぅ……”

    「はぁっ…はぁあぁああ……っ」

    「くすっ……お漏らしきもちーね♥」

    こんな簡単にイクなんて……。
    直接性器を触れられてもいないのに、竿は衰えることなく怒張し続け次の射精への準備を進めていた。
    意思とは関係なく膨れ上がる快楽に抗えない。

    「ねえ聞いて……。おにーさんは騙されてるよ。淫魔の味方のおにーさんがどうして私を襲ったとおもう?ずっと淫魔のために戦ってきたのにおかしいよね?きっと悪い人にそそのかされたか、操られてるんだよ。でも大丈夫っ!私ならその洗脳を解いてあげられるよ。私のフェロモンで目を覚ましてぇ……♥」

    “もふ♥もふんっ♥もふっ♥”

    「あふぅ……ふぁぁあああ……」

    虚飾に満ちた言葉――
    それは理解している。
    なのに、この淫魔の言うことを真実だと思い込もうしている。言われたままを受け入れようとしている。

    体内でピンクのフェロモンが蠢き回っているのが心地いい。
    まるで俺を新しく作り変えているようだ……。

    「私が悪いモノぜんぶぴゅっぴゅしてあげる♥
     変なものがつかないように、私色に染まろうね♥」

    内側からはフェロモン、外側からは淫魔の肉感と汗が襲い、逃げ場を無くした感情が精液となって零れ落ちる。その精液には今まで培った大切なモノまで混じっていると、残ったわずかな理性でわかった。

    だけど自分の意思では止められない。
    おそらくもう、手遅れなんだろう。


    何度も何度も射精した。

    カラダの痙攣が止まらない。


    ないはずの精子がまだ出ている。

    快楽に夢中でイキ続ける。


    俺は使命も何もかも忘れ――

    目の前の少女の虜になっていった。

    ぎゅむっ♡
    (はうっ……やわらかい……)
    あどけない表情で無造作に押し付けてくる肢体の柔らかさに庇護欲を掻き立てられる。

    耳元に顔が近づき――

    「……リ・リ・ア♥」

    ――ズクンッ…………

    言葉を聞いた瞬間、胸の奥まで何かが染み渡っていく。
    俺はずっと前からこの名前を知っている……。
    心が安らかになるような感じ――
    安心感があって……ここちいい――

    「私のなまえはリリア……リリアっていうんだよ……覚えてね……♥」
    「あ、ああ……」

    「リリア……♥リリア……♥リリアだよ……♥
     リリア……♥リリア……♥リリア…………ぴゅっぴゅ……♥」
    「あぁ……あぅぁ……ぁ」

    “とぷん…とぷん…とぷん…”

    耳元でナマエを囁かれると溶けていった。
    尿道からは服従の証が垂れ流される。

    「リリアのなまえ、好きな時に呼んでね♥
     言葉にするたび気持ちよくなれるから♥
     リリアの奴隷だけの特権だよ♥」

    そっか……
    こんな大事なことを忘れていたなんて……。

    俺は――
    リリアちゃんの奴隷として生まれたんだった……。

    「一緒に…………行こ♥」

    「……………うん」


    ――3日後、サキュバスの巣の中。

    「はぁはぁ……リリアちゃん……リリアちゃん……♪」

    仰向けになった俺の上に、ムチムチのわがままボディがのしかかる。
    股間に勢いよく打ち付けられたリリアちゃんの局部に、俺の肉棒がずっぽりと納まる。小さい身体からみてアンバランスなほどの肉厚な太ももが竿を縦横無尽にこねくり回し、快感を流し込んできた。

    「必死に頑張って溜めたレベル♥
     ぜ~んぶここで出しちゃおうね~♥」

    リリアちゃんに跨られて数時間――。
    もう何度射精したかわからない。

    「ぴゅっぴゅっぴゅー♥
     レベルを吸い取るぴゅっぴゅっぴゅー♥」

    “びゅるるっ!!びゅるぅううう!!!!”

    俺の上を踊り跳ね回るリリアちゃんに合わせ、精子がとめどなく噴き出る。
    射精するごとにレベルが吸い取られ、俺はもうリリアちゃんの魔力を感じることもできないほどにレベルダウンしていた。

    「勇者くんってずいぶんレベル溜め込んでたんだねー♥はじめてリリアのおうちに来た時は4人とも強そうで、リリアじゃ敵わないな~って思ったけど……勇者くんがひとりの時を狙って正解だったよ~♥」

    ぬちぬちと音を立てて圧迫してくる太ももの上から少しだけ覗かせる亀頭は、精液や汗、リリアちゃんの分泌液……あらゆる快楽物質に溢れ、悦びの涙をこぼしているようにさえみえる。

    レベルを吸われる瞬間は天に召されるほど気持ちよく、本当に死んでしまうんじゃないかと思えるほどだった。
    ――このまま死ぬのかもしれない。
    でも、リリアちゃんに搾り殺されるなら俺は――

    ふと――左手に目がいく。
    薬指にはめられている指輪――。
    それがわずかに光っていた。
    確かこれは誰かからか受け取ったものだ。

    なんだ――
    大切なコトを忘れている。

    俺の……
    今なすべきことは……

    【指輪の力をつかう】


    俺は指輪をはめた手を高々と掲げた。
    すると指輪が強い光を発する。

    「う~!なにこのひかり~!?」

    ――光と共に記憶が蘇る。
    仲間のこと。使命のこと。全てを思い出す。
    体も自由に動けるようになり、咄嗟にリリアを払いのけた。

    「いったぁ~~い!!!」

    俺はそのまま巣の外へ向かって全力で駆け出した。
    指輪は仲間がくれたものだ。
    その力が発動したという事は近くに……。

    「アレン!無事だったのね!」
    知恵の魔術師、ミア。

    「お前……心配したんだぜ!」
    盾役の頼れる無骨な戦士、ライド。
    そして……

    「マリア……心配かけて、ごめん」

    「本当に……本当に心配したんだから……ばかっ!」

    マリアは幼馴染の魔術師だ。
    婚約も交わし、無事冒険を終えた後の話も進んでいた。
    指輪はマリアのくれた『退魔の指輪』で、発動確率は低いがどんな状態異常でも回復してくれる。

    もう少し遅かったらダメだっただろう。
    この指輪のおかげで助かったんだ。

    「も~!おとなしくしてればずっと気持ちよくなれてたのに~っ!」

    ――この後の結果は言うまでもない。
    4人そろった勇者パーティに、サキュバス一匹が敵うはずもなかった。

    魔物に詳しいミアによると、あの手の単独行動を好むサキュバスは獲物がひとりの時を狙うことが多く、誰にも邪魔されない安全な場所に誘い込み、じわじわと獲物をいたぶり、弱らせる狩りを楽しむ傾向にあるらしい。
    うかつにも夜の街を一人で歩いていた俺は後をつけていたリリアにとって、格好の餌に見えたんだろう。
    今後は気を付けていかなければならない。
    俺は世界を救うために戦う勇者なんだから……!



    (true end)

    【なにもしない】

    “ずりゅりゅりゅりゅりゅううう♥♥♥”

    「はぁあぅううう♥♥♥♥」

    太ももがずぶずぶと絡みつく。
    肉棒だけじゃない。
    理性、信念、やるべきこと。
    自分をかたどるモノがこの肉の中へ沈み込んでいく。
    快感と共に吸い込まれていく。

    「しゅごいぃぃ……ふぁぁ……♪♪」

    「余計なコト考えちゃダメ♥
     えっちなコトしか考えちゃダメ♥
     ムチムチふとももきもちーでしょ♥
     リリアはいつでも一緒だよ♥
     いっぱい溺れて♥
     たくさんぴゅっぴゅ♥
     それだけしてればもういいの♥
     ぜんぶポイポイ捨てちゃって♥
     あとはリリアに任せてね♥」

    完全魅了された心はもう状況を疑わない。
    あるのはリリアちゃんの言葉だけ。
    リリアちゃんだけいればいい。

    「リリアは勇者くんの得になることしかしないよ♥淫魔のカラダでぬきぬきする気持ちよさ、もう忘れられないでしょ♥淫魔のカラダに魅了されるとしこしこ止まんなくて幸せでしょ♥これからはいつでもリリアがシてあげられるよ♥」

    囁かれる声が脳内を侵すようにこだまする。
    冷静に状況をみる判断などとうにできるはずもなく……――

    「おい!サキュバス!いるんだろ!?でてこい!!」

    ――…………。
    巣の外からどなり声が聞こえる……。

    「これをみて♥」

    リリアちゃんが指をさすと空中に映像が浮かび上がり、そこには外の様子が映し出されていた。
    戦士の男1人と魔術師の女2人がみえる。

    「この人たちは悪い人だよ♥
     リリアこのままじゃ倒されちゃ~う♥
     こわいよ~♥
     勇者くん助けてぇ♥
     リリアのために戦ってぇ♥
     悪いやつをやっつけてぇ♥
     ねぇ……♥
     お・ね・が・い♥」

    うんうんと虚ろに頷く。
    リリアちゃんの言う事を聞いてさえいればいい。
    それだけでいいんだ。
    俺はただの奴隷だから……。

    「もし無事に倒せたらぁ…… 今度はこの中でおちんちんかき回していいよ♥淫魔の肉壺でぬぷぬぷぴゅるぴゅる♥たくさん中出ししてた~くさん子供作るの♥淫魔と勇者の子供なんてすてきでしょ♥はやくリリアといっしょに、なろーね♥ぎゅむぎゅむ~っ♥」

    リリアちゃんか両手を背中にからませ抱きついてくる。
    尚も太ももが触れている肉棒はひくつき、空っぽになった精巣は精子を出そうと試みている――だけどもう何も出ない。伽藍洞の身体はそれでも反応してイキ続けていた。

    「一緒に……なりたい」

    「うんっ!じゃあぜんぶ片づけちゃお♥」

    「はひぃぃ……♪」

    視界が暗くなっていく――――—

    ――――—

    ――


    リリアちゃんからレベルを一時的に分けてもらい、俺の身体は強さを取り戻していた。
    ……むしろ淫魔の力が付与された分、前より強くなっている気がする。

    巣の入り口に待ち構えていたのは3人。

    戦士は見た所、硬さだけが取り得のデクの棒。
    残り二人の女はサポート役の魔術師だろう。
    まともな攻撃役のいないパーティだ。
    いまの俺ならひとりでもいけるだろう。

    「目を覚ませ!」だとか「サキュバスと一緒だなんてどうしちゃったの!?」だとか意味不明な言葉の羅列を投げかけるし、魔術師のひとりに至っては泣き崩れているが……敵のすることに俺は惑わされない。

    どこかでみた顔な気もするが……。
    倒したあとにでも考えるか。

    「はいこれ♥
     がんばってね♥」

    リリアちゃんから手渡されたもの。
    それは禍々しくいびつな形の剣だった。

    ――変わってしまったけどわかる。
    これが俺の今の武器だっていうこと。
    リリアちゃんとの愛の形だということ。

    ……正直、負ける気がしない。

    リリアちゃんを守るため。
    俺は――その剣を抜いた。


    (bad end)

  • モモカちゃんに秘密基地がとられちゃうよ~!

    ここは近所の公園の隅っこの木陰。
    「やっとできた……っ!」

    大きなダンボール2箱の上に1箱のせて、ガムテープで繋げて凸の形になって完成した、ぼくだけの秘密基地。
    中はたたみ一畳にも満たない広さだけど、セミがじりじりと鳴く茹だるような炎天下で汗をぬぐいながら作りあげたこの秘密基地は、それはもうかけがえのない宝物に見えた。
    ――夏休みになって自由研究の宿題が出されたとき、ヒーローに憧れるぼくは秘密基地を作ることにした。でもそれを周りの大人に話すと「そんなものを公園に作ってはいけない」と言って認めてくれなかったんだ。
    だからぼくは、こっそりヒミツで作ることにした。
    落ち葉をかぶせてカモフラージュもしたし、きっと誰にもバレないだろう。

    こうしてぼくだけの秘密基地は完成した。
    よし、さっそく中に入ってみ――……

    「あーなにこれー!すっごぉ~~い♡」
    「わっ」

    声が突然きこえて、後ろをとっさにふりむく。

    「モモカちゃん……」
    「あれぇ~~??ヤマナカ君だぁ♪もしかしてこれ、ヤマナカ君が作ったの?」
    「うん……ぼくの秘密基地なんだ」
    「そっかぁ。かっこいいね♡」

    そこにはツインテールで、レモン色のキャミソールにピンクの短いスカートを履いた、ぼくと同じ位の背丈の女の子がいた。
    ――近所に住んでるモモカちゃんだ。
    下校中や公園で遊んでいるときにいつもちょっかいをかけてくる変わった子で、後ろから突然ワッて大声を出して脅かしたり、ランドセルの横につけたリコーダーをすぐ盗んだりするから、ぼくはとてもこまっている。
    同い年だとおもうけど、ぼくの通う学校では見かけたことがない。ただ、やけにたくさんの男子に囲まれて歩いているのを外で目撃したことがあって、その中にはうちのクラスの男子も混じっていた。なんだか怖かったから関わらないようにしていたけど……。

    「いれて~♪」

    スッと秘密基地の中へ潜り込もうとするモモカちゃん。

    「だ、だめっ!」
    「え?」

    それをぼくは手で遮る。
    完成して間もないできたての秘密基地。
    一番のりは作ったぼくがやりたいし、なるべく他の人は入れたくない。この基地を見つけることができたモモカちゃんはすごいけど、バレてしまったからにはなんとか内緒にしてもらわなきゃ……。

    「む~~~~」

    ぷくっとほっぺたを膨らませるモモカちゃん。
    モモカちゃんはすごくかわいい。
    手で触れられるくらいの距離まで近づいたことで、整った顔立ちやモデルさんのようなスタイルがあらわになり、イヤでも女の子として意識してしまう。
    なんだか胸がドキドキしてきた。
    でもぼくは心を鬼にして言う。

    「ふくれたってダメだよ!これはぼくの秘密基地なんだ。だれも入れられないよ」
    「モモカもこれほしー」
    「ほしいって、秘密基地を?」
    「うんっ。ほしーー!」
    「いやいやダメだよ!ぼくが作ったんだもん!!」
    「えーーやだー!ほしーー!
     ほしーーほしーー!!ほしーー!!」

    手足をばたつかせておねだりしてくる。
    いくらかわいくても、こればっかりはわたすわけにはいかないんだ。

    「ムリなものはムリなんだよ。ぼくは今から秘密基地を楽しむんだから、ほらあっちいって!」
    「ね!!イイじゃん!」
    「う…!」

    ずずいとにじりよるモモカちゃん。
    ほんのりいい香りがする……。
    それになにか、いやな予感もした。
    警戒して思わず後ずさりをすると――

    ズルンっ。
    「わっ」

    落ちていたダンボールの切れ端に滑り、ぼくはまぬけにも尻もちをついてしまった。
    秘密基地の中へころんと倒れ込む。
    「いてて……」
    ――上を向く。
    水玉模様のパンツが短いスカートからちらりと覗かせているのがみえる。
    その更に上をみると、じっとこちらを見つめてくるモモカちゃんがいた。

    「ふふ~ん…………」
    「う……」

    にんまりと蠱惑的な表情でみつめるモモカちゃんにドキッとする。
    パンツ見たのバレたかな……。
    後ろめたさに視線をそらそうとするけど、どういうわけか目が離せない。その吸い込まれそうな瞳に心の奥まで見透かされていくようで、のがれることができない。
    なんかやばいかも……。
    ひ、ひとまず基地の中に逃げ……

    「くれないならぁ……イタズラしちゃうぞ~♡」
    「わ、くるなあっ……うわぁ!」
    「ぱくんっ♡」

    ――気づいたときには手遅れだった。
    キャミソールがぼくの頭の上からするすると音を立てて覆いかぶさっていく。
    最初にモモカちゃんのお腹が顔に近づいてきて、そのあと視界が真っ暗になり怖くてとっさに目をつぶる。
    次に目を開けたその時――

    汗にまみれた胸が鼻先に触れている。
    何も知らないぼくは、息を吸ってしまった。

    “むわわわぁぁぁぁ~~~ん♡♡♡♡♡♡”

    「むごっ?!ン……オ゛ォォォォ♡♡♡♡」
    「男の子はみんなこれでイチコロだよー♡
     たくさん吸ってびゅるびゅるしようねーー♡♡」

    モモカちゃんの服の中は、むせかえるような甘い匂いで満たされていた。
    夏真っ盛りのこの時期、公園の隅が木陰になっていてもココに来るまでにはカンカンに照りつける太陽の下を歩いてきたわけで、数分もすれば誰もが汗を噴き出してしまう。
    健康的な身体つきのモモカちゃんからは透明な汁が今もどぷどぷ分泌されていて、その一粒一粒がぼくを狂わせる強烈なフェロモンとして、鼻腔からおもいきり吸引されていった。
    気の遠くなる匂いにカラダがひたすら悶絶を繰り返した。

    「モモカの汗スゴイでしょ~♡この香り、嗅ぐのクセになってやめられなくなった人がたくさんいるんだ♡ヤマナカ君と一緒のクラスにも、モモカに魅了されていいなりになってる子がいるんだよ♡嗅がせてくれるならモモカのシテほしいこと、なんでもやってくれるんだって~~♡♡
    このまま耐えられなくて堕ちるまで、ギュウ~ってしててあげる♡好きなだけえっちなフェロモン吸おうね♡余計なことは考えずにぃ……頭の中をトロットロに溶かして♡♡モモカのいうことなんでもきける便利なマゾどれ~君になっちゃおうね~~♡♡♡♡」
    「ふが、ふごぉ…ふごおおおお!!!♡♡♡」

    声がぼんやり遠くで聞こえて、よく聞き取れない。
    肺を侵した匂いは血管を通して全身をかけめぐり、頭のてっぺんから足の先まで全身を痺れさせた。余計な感覚や思考はなくなっていき、目の前のモモカちゃんから発せられる快楽にだけ敏感に反応するようになっていく。
    ぼくがダメにされていく。
    モモカちゃんの汗の海に溺れていく。
    脳が揺さぶられて真っ白になっていった。

    「大丈夫だよ♡カラダを楽にしてぇ…モモカに溺れちゃお♡我慢なんてできるわけないんだから♡この香り吸って♡吸って♡だすもの出してスッキリ♡ぜんぶ委ねて楽になろ♡モモカに操られて依存しちゃお♡
    コ・コ♡擦り合わせるとみんなすぐ出しちゃうから♡出させてあげるね♡ぷに穴こすこす、むにむにぃー♡」

    “むにゅ♡むに♡むに♡くにゅ♡にゅむ♡むに♡むに♡”

    「あぁっ!あっあ♡」

    モモカちゃんの腰が艶めかしく動き出す。
    ぶにぶにとした膣が竿に擦りつけられ、感じる部分だけを的確にこねくりまわす。射精に追い込むための鋭い腰使いで、パンツごしの縦スジの触感が肉棒を捕食しようとうごめきまわる。
    それは既に匂いで限界だった体にとどめを刺す、十分な引き金になった。

    「モモカでイっていいよ♡出していいよ♡白くてきたないせーえき♡ほら……だせ……だせ♡♡だせ♡♡モモカに匂いに負けた証♡びゅびゅびゅ~~って情けなく出しちゃえ♡お漏らしせーえきびゅびゅびゅ♡♡びゅるるるるるぅぅぅ~~~♡♡♡♡♡」
    「あ゛ぃぃ……イ゛グぅ♡♡♡」

    びゅっびゅる!!びゅるるるぅぅぅ~~~!!!

    なにがなんだかわからないまま射精まで導かれていた。人生で一番の快感を一気に流し込まれたカラダは我慢なんてしようともせず、ひたすら気持ちよくなるために射精を受けいれ、びゅうびゅうとイキ狂うように発射しつづけた。

    「あ~あ、出しちゃったぁ♡
    ここ公園なのに、イケないんだ~~♡♡」
    「うう……ふぅ…ぷぁ……っ」

    ようやく服の上から、顔を出してもらえた――。
    やっと新鮮な空気を味わうことができたものの、射精したせいで力がうまく入らない。ぼくの体は依然として、蒸れ蒸れのキャミソールとモモカちゃんのカラダに挟まれたまま身動きができず、そこから抜け出すことができなかった。
    それに――
    イったのにまだ勃起が治まっていない。

    「ねぇ~~~~ちょうだぁい♡ひ・み・つ・き・ち♡
    他の人には内緒にしててあげるからさぁ~♡」

    「うう……でもぼく、まだこれで遊んでないのに……」

    「いいじゃん~代わりにモモカと遊べるんだよ……♡さっきのでイったら気持ちよかったでしょ??もしモモカに秘密基地をくれたらぁ……好きなときに何度だって味わえちゃうのに♡」

    「さっきのが、な、何度も……はぁはぁ……」

    えっちな妄想で頭が埋め尽くされていく。
    再びモモカちゃん一色に染まる。

    ――秘密基地の中はとても狭い。
    こんな場所でくんずほぐれつ、激しく動けばダラダラとしたたり落ちる汗はますます勢いを増す。息を荒くした二人の汗で地面に敷いたダンボールは湿ってゆがみ、基地内はモモカちゃんから発生する香りに溶け落ちていた。

    「そう……だから想像してみて♡
     毎日毎日モモカでぴゅっぴゅ♡
     昼でも夜でもぴゅっぴゅっぴゅ♡
     モモカと会うたびきもちーの♡
     好きなだけ味わい放題なんだよ♡
     そんなの幸せすぎるでしょ?
     だからこんなおうち、いらないよね♡
     モモカの方がずっと、大事だよね♡
     ほら♡
     キミはモモカと秘密基地、どっちをとるの??
     秘密基地を守るヒーロー君♡」

    “とん♡とん♡とん♡とん♡とん♡
     とん♡とん♡とん♡とん♡とん♡とん♡”

    「…わ…わぁあ……」
    「きもちーね♡とけちゃうね♡」

    イったばかりの一物が再び刺激される。
    腰の上に跨ったモモカちゃんが、ぴょんぴょんと跳ねて恥部を打ちつけてくるせいで股間へ血液が巡り、ぎんぎんに膨れあがっていった。

    「あれーw なんだろーこれー!
     なんだろーー♪ なんだろーなー♪」

    「はぁう……だ、だめだよぉ……っ」

    「ねーねー♡なにがだめなのー???
    ヤマナカ君、これなにー???
    ねぇ~~、ナニーー??♡♡♡♡♡」

    “とん♡とん♡とんとん♡とんっ♡とん♡
     とん♡とんっ♡♡とん♡♡とんとん♡とんとん♡♡”

    「ア…へあっ、あ♡あ♡♡しゅご……♡♡♡♡」

    不規則にみえる腰使いの刺激は、全てよわい部分だけに集中している。射精を促すための的確なモモカちゃんの肢体の動きに、ぼくはただ翻弄されてよがるしかない。
    未知の快感になすすべもなくされるがまま、我慢なんてとてもできなかった。

    「ほらだせ♡♡だせ♡♡だせ♡♡
    モモカのぷにぷにおまんこの感触でちんちん操られて、せーしだしちゃえ♡♡」

    にゅ♡にゅぷ♡にゅ♡にゅる♡にゅりゅ♡にゅぷる♡

    縦スジの間に挟まれたちんちんが前後に擦られる。

    「だめ、またでちゃうううぅぅぅ…っ!!」

    カラダが強制的に射精の準備をする。
    出すこと以外に考えられない。
    ぼくは流されるままに限界を迎えた。

    ドビュルル!!!ビュリュルリュルルルゥゥ~~!!!!!
    ビュッビュ!!ビュリュルゥウゥゥ!!!!

    「あ~あ♡またしゃせーしちゃった♡ヤマナカ君がどんどん、モモカなしじゃまともでいられなくなっちゃうね♡」
    「え…………?」
    「さっきも言ったけど、この匂い嗅いじゃったら、他じゃもうもの足りないよ♡なんどもなんども出さなきゃいけなくなっちゃう♡モモカのフェロモンに屈服した記憶がいつまでもカラダに残って、またこの快感を貪るためにモモカに会いたくてたまらなくなるの♡ヤマナカ君ももうあと戻りできなだろうから♡これからはモモカのことばっかり考えて過ごそうね♡」
    「う、うそだそんなの……」

    「今日はこの辺にしとこっか♪」

    キャミソールの中から解放される。
    ぼくの服はモモカちゃんの汗でぐっちょりと濡れそぼっていた。

    「また明日くるからね♡」

    モモカちゃんはそう言うと、どこかへ去っていった。
    ひとまずは秘密基地を守ったんだろうか。
    このあとしばらく動けず、じっと余韻に浸っていた。

    ――――――。

    ――翌日。

    朝から秘密基地の中で、ぼくは何もせず寝転がっていた。
    本当は秘密基地を更にかっこよく飾りつけしたり、中でマンガやゲームを楽しむつもりだったけど、まったく手がつかない。やる気が起きない。
    昨日のことが忘れられず、ただ悶々とモモカちゃんを待ち続ける。

    昨日の夜もずっとオナニーをしていて何も手が付かなかった。嗅ぐだけで脳が犯される香り、股間に擦りつけられたパンツごしのとろとろな膣の感触……頭の中をずっとぐるぐる回るモモカちゃんで、何度イってもムラムラが治まらなかった。
    いますぐモモカちゃんに会いたい――。
    明日も来るっていってたからきっとここで待っていればくるはずだよね……。

    ――けど、モモカちゃんは来ない。
    1時間、2時間……お昼になってもモモカちゃんは現れなかった。
    8時間経ち……夕方になり、日も暮れようとしている。
    もう辺りが暗くなりはじめた頃――……

    「…うぅきてぇ~……なんでこないのぉ」
    「だれが~?」

    顔を上げるとモモカちゃんがいた。

    「……ヤマナカ君♡ な~にしてるの♡」

    待ちに待った声に心が躍りだす。
    今日一日でぼくの価値観はひっくり返され、秘密基地なんてもう、モモカちゃんを待つための場所でしかなくなっていた。

    「……あぁ!!モモカちゃん!!!……ぼくが…ぼくが間違ってました!!!この秘密基地はモモカちゃんのものです!!好きにしてください!!!モモカちゃんのモノです!!もうずっと我慢してておかしくなりそうです!!……だから……だからはやく、匂いを嗅がせてぇ!!!!」

    「ぶくす♡……いいよぉ~~♡♡」

    シュルリと蛇のように絡みつき、モモカちゃんの肢体が丸呑みするように覆いかぶさる。
    跨られたぼくは再びキャミソールに包み込まれ、昨日と同じ体勢にされた。
    時刻が夕方で気温も涼しく、家からでたばかりのはずなのに、モモカちゃんの肌からはとめどなく汗が流れ落ちていた。

    “むぅわわわぁあぁ~~~ん♡♡♡♡♡♡”

    「……ぁ゛ぅあ……ぁぁああっっ♡♡♡」

    「もうこれなしじゃ生きてけないもんね~♡かわいそ~なヤマナカくん♡」

    数日ぶりの食事にありつけたかのような心地で無心にむしゃぶりつく。吸うだけで細胞の一つ一つが快感の悦びをあげる。重なり合った肌からはフェロモンの汗が浸透していき、そこから全身が敏感になっていった。

    「しゅこしゅここ~~♡」
    「あぁわわっ…わ…っ」
    「こうされると気持ちいいんだよね~♡モモカのぷにぷにおまんこの感触、たっぷり味わってね♡」

    ふわふわのおま〇こに玉も竿もないまぜにしてかき混ぜられる。
    自分で触っただけではけっして味わえなかった感触に、イチモツはいうことを聞かずぐんぐんと大きくなっていき、腰が勝手に動き出してしまう。

    「モモカのおうちってあそこに見えるマンションの3階なんだぁ。ベランダからだとこの秘密基地の様子って丸見えなんだよ♡だからヤマナカ君が今日一日ず~っとモモカのこと待ちながらオナニーしてたのも、ぜんぶ見えてたんだよ~♡おかしかったなぁ~~w」

    「そ、んなぁ……ひどいよぉ……♡」

    恥ずかしくてたまらない。
    でもそれ以上に目の前の快楽に無我夢中で、その恥ずかしさすらも興奮剤に成り果てていた。

    「そんなにモモカのこと想っててくれてたなんてうれしーな♡
    モモカ、ヤマナカ君だぁ~いすき♡」

    「え?……あ……」

    「すきすきすき♡♡だぁ~いすき♡♡♡
    世界でいちばんだぁ~いすき♡♡だよ♡♡」

    「あぁ、あっ、あっ…♡……あへへぇ♡♡」

    耳元でモモカちゃんが囁くごとに脳がトロける。
    すきというたびに胸がきゅんきゅんと締めつけられていき、この日のために生まれてきたんだとすら思えてきてしまう。
    ぼくの心は完全にモモカちゃんに奪われていた。

    「すきすきー♡すきすきー♡しこしこー♡
    すきすきー♡すきすきすきー♡しこしこー♡」

    “しこしこしこしこしこしこしこ♡♡♡♡”

    モモカちゃんが後ろに回した手で、ちんちんが撫でまわされている。
    すぼまった手のくぼみで玉をこねられ、細い指先で鬼頭をくりくりとイジられ、ふいに全体を鷲づかみにしたかとおもえばがむしゃらにシゴかれる。イチモツをイジめぬくことに慣れきったその手つきは、簡単にぼくを最大限の快感へと導いた。

    「ぼ、ぼくもモモカちゃんのことすきぃ~~~!だぁいすきぃぃぃぃ!!♡♡♡」

    「ぷくす……♡ うれしーな♡
    じゃあだいすきなモモカにぃ、あげなきゃいけない大切なモノ♡あるよね??♡♡奪われるのは秘密基地だけじゃないんだよ♡モモカが欲しいモノ、何でもちょーだい♡♡」

    「うんっあげりゅ♡欲しいのなんでもあげるぅぅぅ♡♡♡♡」

    「やったぁ♡それじゃあ今日はぁ……モモカの全身の感触♡たぁ~くさん覚えて、きもちーきもちーして帰ろうねぇ~~~♡♡♡
    ほ~ら……ぐにぐにぐにぐにぐにぐにぐにぐにぃぃ~~~~~♡♡♡」

    「はぁぁああああ!!ぎもち゛ぃ゛ぃぃ!!♡♡」

    ふにふにの柔らかい肌がいやらしく擦りつけられる。胸、乳首、おなか、二の腕、膣、太もも……モモカちゃんの気持ちいい部分が一斉に襲い掛かり、捕食されていく。獲物を残りカスになるまで搾りつくそうとするような加減の効いていない動きにカラダが保つはずもなく、あとは射精するしかなかった。

    「は~い♡敗北マゾ射精までぇ……3…2…1…」

    「ゼロ♡♡ゼロ♡♡ゼロ♡♡ゼロ♡♡
    びゅっ♡♡びゅっびゅ~~~♡♡♡びゅるるるる~~~う♡♡♡♡」

    ズビュ!ビュル!!ドビュルルルゥゥゥ~~!!
    ビュルル!ビュルリュリュルルルゥゥ~~!!!!!


    ――――――――――――――――


    ―――――…………………


    ――……

    ――1週間後。

    あれから毎日公園の秘密基地へ行ったけど、いつもモモカちゃんがいて、中へ入らせてもらえなかった。

    朝に行っても、夕方に行っても、モモカちゃんはいた。
    秘密基地の中を覗くといつも、寝そべっているモモカちゃんが片手でお菓子を食べながらスマホでゲームをしている。
    もちろん今日もだった。

    「あ、いらっしゃ~い」
    友達の家でくつろぐように、すっかり秘密基地に馴染んだ姿をみせるモモカちゃん。
    秘密基地の中は狭いから、モモカちゃんの足だけが入口から外へはみ出ていた。

    「こ、これ……頼まれていたものです……っ」

    ビニール袋をモモカちゃんに渡す。
    中にはぼくのおこずかいで買ったお菓子とジュースの補充分が入っていた。

    「ありがと~。そこ置いといてー」
    「はぃぃ………」

    こちらに顔も向けず、かわりに脚をバタつかせて返事をする。

    「…………あ、あの……ごほう、び……」
    「…ん~」

    おずおずと近づくと……
    モモカちゃんの脚がぼくのお腹までせり上がってきた。

    “スルスルスルゥ~~♡”

    「えへへへ~~。つーかまーえたっ♡」
    「……あぁ……きたぁ……っ♪」

    ズボンの中へ両足が差し込まれ、潜り込んでいき、股間がモモカちゃんの足の裏でがっちりとキャッチされる。
    ――そのまま容赦なくシゴきたおされた。

    「え~い、ごしごしごしごしごしごしごしごしごしごし♡♡♡♡」
    「わぁぁぁああああ!!!!?!?!?」

    ちんちんがもの凄い勢いでシェイクされる。
    それと同時にぼくの脳天には電流が走る。

    「ふぁあ、すごいぃ……すごいぃぃ……っ!!」

    「ヤマナカ君はな~んにも考えなくていい♡モモカの言うことにただうんってうなづけばいいだけ♡それだけでこんなに気持ちよくしてもらえるんだから幸せでしょ♡ほら、ヤマナカ君の作った大事な秘密基地♡今は誰のモノなんだっけ??♡♡」

    「は、はぃぃぃ……モモカさまっ…!秘密基地はモモカさまのものでしゅうぅぅぅ!!!!!ぼくはモモカさまになんでも貢ぐまぞどれーでしゅうぅぅ!!!…イ、イくぅぅっ!!」

    「ぷくす♡勘違い射精♡敗北まぞおもらしでイっちゃえ~~~♡♡♡
    ご~しごしごしごしごしごしごしごし~~~♡♡♡♡♡」

    「ん゛んん゛ん゛ん゛~~~!!!」

    「びゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅ~~~♡♡♡
    びゅるるるるるぅぅぅぅ~~~~~♡♡♡♡♡♡」

    ぶびゅるるるるぅぅぅぅるうううう!!!!!!!

    秘密基地の入り口に勢いよく発射した。
    壁面にべったりとついた精液が地面に垂れていく。

    「っわぁ汚な~~。あとで掃除しといてね♡
    それと、お菓子やジュースもいいけど、そろそろあきたし、これからはヤマナカ君のおこずかいをそのまま持ってきてよ♡そのほうがモモカも好きなもの買えるしぃ~♪おねがいね♡」

    「は、はひゃい……」

    ――――――
    ……秘密基地は今もモモカちゃんに占領されたまま。
    このままだと自由研究の作品として使えない。
    毎日通って取り戻す必要があるんだ。
    これからも、ここへ来ないといけない……。

    あ、あくまで……秘密基地を取り戻すためにだけど。

  • 催眠暗示で射精が止まらなくなる小説【サンプル】

    ふと気づくと、うちのクラスでまともに受験へ向けて取り組んでいるのは――僕だけだった。
    受験シーズンのこの時期。
    クラスの話題は、日雇いのアルバイトとか、ネットで稼ぐ方法だとか、お金の話ばかり。
    受験の話なんて誰もしていない。どういうわけか、みんな、躍起になってお金を稼ごうとしていた。
    この異常に今日まで気づかなかった自分にも驚いたけど、最近の僕は勉強のことばかりで、周囲との関わりも薄れていたから――
    周りが見えてなかったと思う。
    とはいえ、進学校にあるまじきクラスの様子に動揺してしまったけど、僕自身の受験とは関係ない。これまで学んだことを無駄にしないためにも、僕はいままで通り勉学に勤しむべきだ。
    人生にはやり直しがない。
    何のとりえもない僕は、せめて勉強だけでもと、この三年間を受験へ捧げてきた。
    クラスメイトが何をしようと自由だし、それで僕の目標が変わるわけじゃない。
    受験に専念するんだ……。
        
         #1

    ――放課後。
    学校の図書室。
    閉館時間の午後五時までは、ここで宿題を済ませて帰宅することにしている。
    ここは静かで集中できる。
    本当は宿題よりも、受験勉強をしたいけど、ルールだから仕方がない。
    すぐに終わらせて帰ろう。
    席につき宿題を広げた、その時――
    ガララ――
    誰かがドアを開けた。
    「ん……」
    入口の方を覗く。
    そこにいたのは生徒だった。
    僕は図書室の一番端の席にいたから、遠くてよくは見えない。だけど、制服っぽいスカートが見えたし、たぶん女子生徒だろう。
    彼女はドアを静かに閉めるとそのまま、受付のカウンター席にまわり、座った。
    図書委員か――。
    僕がここへ来た時、誰もいなかったから変だと思ったけど、用事でも済ませてたんだろう。
    入室者の正体もわかったし、宿題宿題……。

    ――カチ、カチ、カチ――
    室内の時計の針、グラウンドの運動部の掛け声、体育館での合唱練習の綺麗な歌唱――落ちる夕日に合わせて届く遠くからの音に、どこか感傷的になりながらも、それに浸る暇はないと自分に言い聞かせ、広げたノートに目を見開く。
    僕は、集中力にはいくらかの自信があるつもりだ。だけど、今日に限っては、うまく集中できない。
    原因はなんとなくわかった。
    ――彼女の視線を感じる。
    視力の悪い僕は、遠くの方がぼんやりとしかみえないけど、こちらを見ているのははっきりとわかる。さきほど図書室に入室してから彼女は、受付席に座ったきり、動いていない。
    まっすぐ一点を綺麗な姿勢で、微動だにせずこっちをみつめる彼女の姿は、少し怖かった。
    集中できない……。

    「なにしてるの♡」
    「ひゃ、ひゃいっ⁉」
    突然、背後から呼びかけられて声がうわずる。
    さっきまで受付にいたはず――なのに、彼女はいつの間にか僕の背後にまで迫っていて……驚きのあまり席から飛び上がった。
    「私のこと、わかる?」
    「え、えっと……すみません」
    見覚えがない。
    「え~ひどいなぁ、同じクラスなのに」
    同じクラス……?
    それなら覚えているはずだ。
    女子とはほとんど話さないけど、顔を見れば流石にわかる。それでも、彼女にはやっぱり、見覚えがなかった。
    「素直になれば――楽になるのに」
    小声のつぶやきはよく聞き取れない。
    ――それにしても。
    よくよく近くでみるとわかる。
    彼女はかなりの美人だ。
    ブロンドの髪は、この図書室からは少し浮いて見えるけど鮮やかで、綺麗な姿勢は品が良く、穏やかな表情には奥ゆかしさを感じる。
    彼女を見ていると、心がどこかへ吸い込まれていくようで、この身を全て預けたくなってしまうような――そんな気さえした。
    「ね、コレ、試してみない?」
    「え、うん……いいけど……」
    宿題をしないといけないのに、彼女に見蕩れてボーッとした頭は、つい二つ返事をしてしまった。ただ、顔を忘れていた引け目もあったから、少しだけ話に付き合うことにした。
    「催眠アプリっていってね、少し前にクラスで流行ってたんだよ……磯崎君は知らないか♡」
    「そんなの流行ってたっけ……」
    というか、僕の名前を知っているってことはやっぱり同じクラスなのかな……。
    「ヒーリング効果があってね、受験勉強にも役立つみたいだよ。磯崎君」
    そう言って彼女はスマホを取り出すと、催眠アプリを起動させた。
    「ほら、みてみて♡」
    グイっと突き付けられたスマホ画面からは、赤と黒のわっかが交互に広がっていくのがみえる。それと同時に、波打つような効果音がループ再生されていた。

    ヴぅぅぅぅん――
    ヴぅぅぅぅん――

    変なアプリ……。
    正直、くだらないと思った。
    ただ、この催眠アプリというものにはどこか既視感がある。関わってはいけないような――
    「私、ずっとみてたよ。キミが一生懸命頑張ってるとこ♡」
    「え?」
    「たまには休んでいいんだよ。厳しい現実ばかり見てたら息が詰まっていつか壊れちゃう。だからそのまえに――」

    「さぁ、息を吸って……」
    肺へ酸素が送られてくる。
    同時に、彼女の香りも。

    「吐いて……」
    言われるままに吐きでていく。
    自分の意思ではないように――

    催眠暗示で射精が止まらなくなる小説 [アンズカン] | DLsite 同人 – R18